文章置き場

二次創作小説を記録しています。原作者、公式とは関係ありません。現在はWTを中心に上げています。R18作品はピクシブのみ。

カップリング100の質問(wt烏出)後半

2020/1/12 23:53
ちょっとえっちな質問です。
お待たせしました。



51 貴方は受け? 攻め?
「……いや、まあ、そのなんだ」
「だいたい予測がつくと思います」

52 どうしてそう決まったの?
「押し倒されて気がついたら……」
「勢いのままでした。俺は正気じゃなかったですね……」

53 その状態に満足してる?
「どうにかやっていっているし慣れた」
「(慣れたというのが引っかかる……)物足りないと言ったら軽蔑します?」
「まだおれに食いつくつもりかよ」

54 初エッチはどこで?
「学校の体育館倉庫」
「これ周りに言わないでくださいね」

55 その時の感想を・・・・
「あーおれが入れられるんだーって」
「実は頭がカッとなって、記憶がところどころ飛んでます」

56 その時、相手はどんな様子でした?
「真剣な顔をして乱れる京介を見て興奮したのは認める」
「こちらの動きに合わせて、先輩が俺の知らない声を上げてて、気持ち良さそうなのはわかりました」

57 初夜の朝、最初の言葉は?
「朝じゃねぇんだけどな」
「すみません、記憶にないです」
「覚えてない? 俺は先輩をこうしたかったって、耳元で言われたんだが」
「ほんとに記憶が飛んでます……」
「マジかよ。ちなみにおれがその時言った言葉もマジかよ、なんだが」

58 エッチは週に何回くらいする?
「相場わかんねーだいたいキスして触ればそれで良し、だしな」
「平均すると1ヶ月に2回でした」

59 理想は週に何回?
「そんなにやると体力持たねえし、ボーダーと学校の両立があるからな」
「俺もバイトありますし、今のペースでお互い納得してます」

60 どんなエッチなの?
「最近激しいというより、意地の悪さが出ている気がするんだけど?」
「先輩が許してくれるのをいいことに、勢いが止まらなくなっている自覚はあります……」

61 自分が一番感じるのはどこ?
「やる度に変わる気がするからわかんね」
「やっぱりキスですね、あちこちいじってからすると、身体の絡まり具合が違うんです」
「サラッと恥ずかしいことを……」

62 相手が一番感じているのはどこ?
「キス? キスに始まりキスに終わる……」
「頭のてっぺんで感じたのには笑いました」
「あの時意地悪そうに笑ってたのはそれか!」
「冗談はさておき、首から鎖骨にかけてが弱いと思います」

63 エッチの時の相手を一言で言うと?
「どこから出るその色気」
「包容力といたずらっぽさの同居」

64 エッチははっきり言って好き? 嫌い?
「嫌いだったらするかよ」
「がっつく程ではないですけど……いや前言撤回、先輩とならかなり好きです」

65 普段どんなシチュエーションでエッチするの?
「言っちゃっていいの? 学校で何となく2人きりになってそのままー」
「ホテルに泊まることはあまりないですね」

66 やってみたいシチュエーションは?(場所、時間、コスチューム等)
「お互いの家……は落ち着かないし、ボーダーは誰かのSEに引っかかりそうだしなと思ってほとんどしてない」
「ボーダーで換装している時、お互い仮眠室でやろうとしたら、解除じゃなく間違ってベイルアウトして玉狛に飛んだことが……」
「あったあった(笑)」
「コスプレはハマるとヤバそうだからパスな」
「いつものタイミングが一番ですよね」

67 シャワーはエッチの前? 後?
「両方」
「ですね」

68 エッチの時の二人の約束ってある?
「何かあったか?」
「ゴムとローションは使うこと……身体が調子悪そうなら止めること……それくらいっすかね」
「思い出した。見える所にキスマークは止めてくれ」
「キスマークって、相手の体質もあるから意外と難しいんすよ。今のところはうまくやっているつもりです」

69 相手以外とエッチしたことはある?
「女の子とやる前に……別に後悔してねーけど」
「俺は先輩以外と寝るつもりはありません」
「おれもここまでくると、他の相手は考えられない」

70 「心が得られないなら身体だけでも」という考えについて。賛成? 反対?
「虚しくね? 相手は本命に帰って行くんだろ?」
「気持ちはわからなくはないですが……そんなことになったら自分が壊れるだけだと思います」

71 相手が悪者に強姦されてしまいました! どうする?
「男? 女? 男だったら半殺しにするけど女は……おまえどうする?」
「先輩に慰めてもらいます。先輩がそんな目にあったら……どうしますか……?」
「目が怖い目が怖い。とりあえずそんときの状況で……」

72 エッチの前と後、より恥ずかしいのはどっち?
「どっちも恥ずかしいと言っていたのは昔の話」
「お互いするようになってから、そんなに経ってないと思うんですが。あ、俺は後の方ですね。現実が戻ってくると温もりが落ち着かない」
「(おっ意外)」
「何でですかね。家族以外で初めて感じる温もりが先輩だからでしょうか」

73 親友が「今夜だけ、寂しいから・・・」とエッチを求めてきました。どうする?
「するわけねーし、言うやついねーよ」
「断じてしませんけど、親友にそれを求めるというのは大問題ですね」

74 自分はエッチが巧いと思う?
「されるがままなんで、わかんね」
「比べようがないんで、先輩がちゃんと気持ち良ければ問題ないです」
「そのイケメンの顔で言わないでくれ。心臓に悪い」

75 相手はエッチが巧い?
「痛い思いしたことないから、合格ライン?」
クエスチョンマークなんすか、俺にもっとうまくやれと」
「(意地の悪い笑い)」
「……あとで後悔してくださいよ。煽ったこと」

76 エッチ中に相手に言ってほしい言葉は?
「いろいろ言ってもらっているから、特に必要な言葉はねーな」
「もう少しどこを触ってほしいか言ってもらえると、こっちも全力でお相手するんですが」

77 エッチ中に相手が見せる顔で好きな顔はどんなの?
「汗かいてきて前髪をかきあげる表情」
「受け入れる準備ができた時の、笑って受け入れる表情」

78 恋人以外ともエッチしてもいいと思う?
「ヤダ」
「慣れもあるんすけど、先輩以外とはできません」

79 SMとかに興味はある?
「ムチ? 縛り? おれはさすがに引くわー」
「知識もないし、わざわざやる理由もないです」

80 突然相手が身体を求めてこなくなったらどうする?
「倦怠期か別れのサインか考える」
「話をする場は設けたいですよね」

81 強姦をどう思いますか?
「ダメだろ。子供相手は特にタチ悪い。正直話題にもしたくねぇ」
「理由なんていくら重ねてもダメです。相手の心も身体も狂います」

82 エッチでツライのは何?
「どうしても間が空くから、準備がめんどくさい」
「場所によっては声を押し殺すのが……」

83 今までエッチした場所で一番スリリングだったのはどこ?
「学校自体が常にスリリング」
「かといってお互いの家も難しい……」
「さすがにボーダーの階段の踊り場は、1回試そうとして止めたな」
「あれあと5分始めるの早かったら、完全に見られてましたよ。慣れている場所が1番いいです」
「慣れている場所が学校なのやべぇなおれたち(笑)」

84 受けの側からエッチに誘ったことはある?
「まああるっちゃ、ある」
「積極的すぎてこっちが焦ったことがあります」

85 その時の攻めの反応は?
「驚いた顔していたけど、触って反応しているのは確認できたから押し倒した」
「上に乗られたのはその時が初めてでした。先輩の顔が新鮮で」
「ヤラれているおまえの姿がいい眺めだったなー。その後おれ体力使い果たしてダウンしたんだが」

86 攻めが強姦したことはある?
「押し倒されたけど、強姦じゃねーな」
「止まらないと思っても、先輩うまーく受け止めますからね」

87 その時の受けの反応は?
「ヤバそうだと思っても、とりあえず様子見?」
「……俺がおかしくなっても、落ち着いているんですよね」

88 「エッチの相手にするなら・・・」という理想像はある?
「ヤッちまっているのに理想像聞くのかよ」
「無難に先輩と答えておきます」
「理想像はあった気がするけど、もうこんな関係だからどうでもいい」
「どうでもいいと言われると寂しいですね」
「今さら満足しているのに、これ以上求めてどうすんだ? 欲張りきょーすけくーん?」

89 相手は理想にかなってる?
「普通もう少し不満ありそうなもんだけどな」
「先輩でいいんです。充分すぎます」

90 エッチに小道具を使う?
「持ち歩くのもめんどくさい」
「そもそも未成年が手に入れるの難しくないですか?」

91 貴方の「はじめて」は何歳の時?
「17」
「16っすね」

92 それは今の相手?
「そうでーす」
「ええ、初めてが先輩で幸せです」

93 どこにキスされるのが一番好き?
「まあ唇だな」
「(キスをする)」
「ななな……」
「奇遇ですね、俺も唇です」

94 どこにキスするのが一番好き?
「まあさっきも言った通り、唇……」
「先輩逃げないでください。ちなみに俺は全身にするのも好きです」

95 エッチ中に相手が一番喜ぶことは何?
「喜ぶと言ったら……だいたいおれが何やっても喜んでね?」
「反応あると嬉しいっすから……先輩は指で慣らす時……」
「それ以上言うなそれ以上」

96 エッチの時、何を考えてる?
「周りに気取られないように、いかに京介と密着するか」
「先輩が気持ち良くなるようにどうすれば良いのかが最優先」

97 一晩に何回くらいやる?
「最高で何回だ?」
「一回でだいたい終わりますけど、最高は三回だったと記憶してます」
「思ったよりおれたち淡白?」
「場所の問題もありますけど、かなり前戯に時間かかってますから。先輩よくふざけますし」
「そういうことか」

98 エッチの時、服は自分で脱ぐ? 脱がせてもらう?
「自分で脱ぐ。脱がしてもらうこともあるけど、自分のペースがあるんだよな」
「意外と先輩が脱がしてくれんすよ……ちょっと見ていると興奮しますね」
「たまに変態な発言すんのな」

99 貴方にとってエッチとは?
「気持ちいいこと?」
「相手に深く入り込む行為?」

100 相手に一言どうぞ
「やーっと終わった。腹減ったからコンビニ付き合え奢るから」
「ありがとうございます。じゃあお言葉に甘えて」
「というわけで帰るぞ」
「今日はお疲れ様でした」


終了です。お疲れ様でした。

カップリング100の質問(wt烏出)前半

2019/12/30 20:55
カップリング100の質問、烏出編前半です。公式から爆弾飛んだら直すかもしれません。



1 あなたの名前を教えてください
「A級1位、出水公平でーす」
「玉狛支部所属、玉狛第一の烏丸京介です」

2 年齢は?
「17」
「16歳です」

3 性別は?
「どっから見ても男だろ」
「性別は男性です」

4 貴方の性格は?
「いざ聞かれるとなあ……察する能力が高いとは太刀川さんに言われるんだけど」
「それ性格じゃないっすね?」
「うーん面白がる性格?」
「たしかに米屋先輩といる時はそんなノリですね……俺は落ち着いていると言われてます」

5 相手の性格は?
「面倒みが良い」
「頭の回転が良くて好戦的ですが、人を威圧することがなく、楽しみを見つけるのが上手くてバランスが取れた性格だと思います」
「めちゃめちゃ褒められた!」
「こういう時じゃないと言う機会無いですし」

6 二人の出会いはいつ?どこで?
「ボーダー入隊した後か?」
「そうっすね、俺が遅れて入った時先輩は能力の高さが噂になってましたね」

7 相手の第一印象は?
「物静かなやつ」
「今どきの高校生。楽しんでいるのは伝わってきました」

8 相手のどんなところが好き?
「顔。まずそこが大事な?」
「言うと思いました。俺も好きなところが顔なんすよ……俺だけにしか見せない顔が」
「ちょっストップストップ!」

9 相手のどんなところが嫌い?
「時々つかれるウソに振り回される……止めてくれよ」
「先輩意外と素直なんで、大概の嫌なことは止めてくれますから……」

10 貴方と相手の相性はいいと思う?
「悪かったら付き合ってないだろ」
「そういうことですね」

11 相手のことを何で呼んでる?
「京介」
「出水先輩」

12 相手に何て呼ばれたい?
「名前で呼んでくれねーの?」
「公平さん?」
「ちょタンマ。さん付けは止めろ。呼びタメでいいから」
「うっかり人前で名前を呼ぶとまずいんで、しばらくは先輩呼びです」

13 相手を動物に例えたら何?
「すました猫。でも帰ってきたら玄関にいそう」
「狼ですかね」
「おおかみ座なだけに?」
「狼は1匹だと生きていけないんすよ。だからリーダーにしっかりついていくし、周囲に仲間がいる。それに一途な性格ですから……」
「それ以上はストップ!」

14 相手にプレゼントをあげるとしたら何をあげる?
「この間服をやるって言ったら、断って迅さんからもらってたな……」
「服のサイズ合わないかと思って」
「空閑はいないのか、どこいった」
「すみません先輩、センスが独特過ぎてついていけなかったんです」
「キッパリハッキリ過ぎておれのハートが傷ついた」
「ところでこの質問ズレてません?」

15 プレゼントをもらうとしたら何がほしい?
「大抵の物はもらったりしているよな……」
「じゃあ俺をもらいますか? その代わりではないですけど先輩をいただきます」
「それプレゼントになるのかよ」
「一緒にいてください、先輩」
「あーもう負けた!」

16 相手に対して不満はある?それはどんなこと?
「不満? 別に致命的なものはないな……ウソもすぐバレるし」
「先輩が意外と無防備に近寄ってくるので、こちらの理性を考えてほしいです」
「だいたい近寄るの学校なんだが。おまえ……」
「……よく考えてください。こんな俺に本当に不満ないですか?」
「……やっぱあった! おまえこの間なー!」

17 貴方の癖って何?
「癖? 授業中にペン回し?」
「俺はバイトの癖が出てきますね、この間も買い物に行った時いらっしゃいませの声に、自分もつられそうになったり」
「なんかわかるわそれ(笑)」

18 相手の癖って何?
「周りを見てなくても常に周囲へ気を配っているよな。あと子供の声に反応する」
「お菓子やみかんを食べた後、指を舐めますね」

19 相手のすること(癖など)でされて嫌なことは?
「さっきの周囲を気にする、あれ一緒に歩いている時おれを歩道側へ歩かせるんだよな……たまには京介が歩道でも問題ないんだけど……」
「指を舐める癖は止めたほうがいいと思いますよ。ちゃんとティッシュで拭いてください」

20 貴方のすること(癖など)で相手が怒ることは何?
「なぜ指ついて謝ってんだ?」
「怒らせることについて心辺りがありすぎるからです。申し訳ございません。しかしこれからも俺はこのままです」
「オイそこは反省しますじゃないのか。おまえの神経の図太さスゲーな」

21 二人はどこまでの関係?
「まあ……とりあえず最後まで……」
「ということです」

22 二人の初デートはどこ?
「初? どこからが初なんだ?」
「告白して二人きりという意味なら、立ち入り禁止区域で何となくぶらぶら」
「あったな、バムスター追いかけて倒した後時間になったから、近道がてら帰った。思い出した」

23 その時の二人の雰囲気は?
「意外と人の気配みたいなもんが残ってんなーって話して」
「その時教会見つけたんすよ、誰も祝ってくれないと思ったらふと家族のこと思い出しました」
「(しんみりしてたのはそういう意味か)……おれは京介の横顔見てたな。何にも言わないで」

24 その時どこまで進んだ?
「そもそもデートという意識はなかった」
「……その時先輩が手を繋いでくれたんですよ。変な話ですがそこで我に返って、帰るまでそのまま……だから俺にとっては初デート、です」
「(おれ覚えてねぇ……)」

25 よく行くデートスポットは?
「放課後に寄る所がだいたいデートスポット」
「俺が忙しいばっかりにすみません」
「まあ問題なくやってると思えば良いんじゃね?」

26 相手の誕生日。どう演出する?
「玉狛と京介の家族が先に済ますから、だいたい夜中にこっそりか翌日になって演出も何もないよなー」
「休みを取るのが精一杯なんで、本当にすみません……」
「その割には日付け変わった瞬間に、家の外で待ってくれたのは正直言って嬉しかった」
「それで良ければまた来年も行きますよ」

27 告白はどちらから?
「京介から」
「俺からですね、ずっと片想いで通すつもりだったんですが」
「あの時はこいつなら大丈夫だと思ったんだよなー」

28 相手のことを、どれくらい好き?
「何で例えるんだこれ」
「先輩の好きなみかんで」
「みかんかよ(笑)」
「三門市で一年間に出荷される量ぐらい先輩のことが好きです」
「量がわかんねーし、おれはどう返せばいいんだこれ(笑)」

29 では、愛してる?
「愛してる……違うなこれ」
「そもそも俺たちの年齢で愛を語るというのは……」
「愛の途中? 恋かと言われると通り過ぎたような気がするし、少なくとも愛を語り合う感じじゃねーなおれたち」
「同感ですね」

30 言われると弱い相手の一言は?
「言いたくない」
「回答になりませんよ?」
「ぜってぇ言わねー! 言ったらおまえが仕掛けてくるのわかってんだからな」
「言われると弱いというより、笑顔の方が威力業務妨害罪ですね」
「おれは犯罪製造機か」

31 相手に浮気の疑惑が! どうする?
「常に疑惑が付きまとっているだが? どう説明すんだきょーすけくん?」
「あれはバイト先の先輩で、ストーカーみたいなやつがいるから送ってやってくれと店長から」
「だいたいこんな感じで終わるよなー」
「そう言えば先輩に疑惑の噂立ちませんね」
「ほっといてくれ……」

32 浮気を許せる?
「いざ現場を見ないことにはなあ。相手が男か女で対応変わるし」
「俺はショックでその場を逃げるかもしれませんが、最終的に許すと思います」
「良いのかよそれで」
「殴ったら俺の好きな顔が傷つきますから」

33 相手がデートに1時間遅れた! どうする?
「ああ家族の誰かが熱でも出したか、と思うから気にも止めずソシャゲやって待つ」
「遅れたら連絡くれると思うんすが、何もないと不安でそわそわしますね」

34 相手の身体の一部で一番好きなのはどこ?
「顔、さっきも言ったけど。顔以外だと髪の毛。触り心地いい」
「顔以外だと、手や指先です。動きが繊細なんですよね、戦闘の時は」
「戦闘の時は?」
「戦闘の時以外もです、俺しか知りませんけど(笑)」
「つ、次行くか……(やべぇ)」

35 相手の色っぽい仕種ってどんなの?
「例のブロマイド、おまえなんていう無防備な姿で立ってんだよ」
「そこっすか? 先輩マニアック?」
「ちげーよと言いたいが新しい扉が開きそうで怖い」
「俺は背中を晒した時ですね、裸で」
「おれそんなに背中見せてないぞ!」
「だからレアなんすよ」

36 二人でいてドキっとするのはどんな時?
「キスしたくなったって顔を近づける時が心臓にくる」
「先輩が食事を美味そうに食べている時」
「なんで?」
「知ってますか先輩。食事の仕方は恋人とする時の行動と似るんですよ?」
「……おまえの前でメシ食えなくなったじゃねーか」

37 相手に嘘をつける? 嘘はうまい?
「毎回騙される。何でだ悔しい」
「先輩も嘘はうまい方だとは思うんですけど」
「それは敵に対してだろ? おまえはおれの嘘すぐわかるじゃねーか」
「先輩の嘘はすぐわかります。だけど……だけど中身はわからない……」
「京介?」
「すみません、次へ言ってください」
「……(おれ、地雷踏んだか)」

38 何をしている時が一番幸せ?
「廊下でぐたぐた話している時だなー」
「同じ空間にいることができれば、それで良いです」
「平和な場所ならどこへでも、ってことで」

39 ケンカをしたことがある?
「まあ、あるっちゃーあるな」
「その後LINEでお互い謝りますけど、ちょっと気まずい時ありますよね」
「槍バカに見られた時は恥ずかしすぎた……」

40 どんなケンカをするの?
「口喧嘩だよなぁ」
「さすがに殴り合いはNGなんで」
「ランク戦で決着つけられたらなー」
「先輩と相手しなくなってから、だいぶ経ちましたね」
「玉狛ランク外扱いだからな」

41 どうやって仲直りするの?
「だいたい京介が折れる」
「引きずるのは気分悪いんで」

42 生まれ変わっても恋人になりたい?
「そもそも人間に生まれ変われるのかおれ?」
「人間じゃなくても、鳥や獣だっていいじゃないっすか。逢えたら俺に声かけてくださいね」
「ちゃんと覚えていられたら、な(おれは遠征先の行動で、生まれ変われるチャンスを無くしているかもしれないけどな)」

43 「愛されているなぁ」と感じるのはどんな時?
「突然抱きしめられた時。こいつがおれの恋人なんだなと実感する」
「声が聞きたいと突然携帯にかかってくる時です」

44 「もしかして愛されていないんじゃ・・・」と感じるのはどんな時?
「今のところはないな」
「朝まで盛り上がって、終わったらさっさとシャワーに行くのが寂しい」
「いや、だってあれはおれが腰痛いって言ったら、抱きかかえて連れて行こうとしただろ! 恥ずかしいからホントに!」

45 貴方の愛の表現方法はどんなの?
「……おれから京介に愛情表現あまりしたことがない気が」
「そんなことありませんよ。俺の手を繋いでくれるだけで充分です」
「それでいいのかよ……」
「はい。俺の愛情表現は……(出水を抱きしめる)」
「……真面目に考えるの馬鹿らしいよな」

46 もし死ぬなら相手より先がいい? 後がいい?
「考えたくない……後がいいかもな」
「俺を看取ってくれるんですか?」
「幸せなやつがそれなりに生きて死ぬところが見られりゃ、こっちも幸せじゃね? おれが先だとみっともねぇ姿晒すかもしんねえし」
「俺は先輩の亡くなった姿に耐えられないと思いますので、お先に逝きます」
「本当のところは、お互いわかんねーけどな」

47 二人の間に隠し事はある?
「そんなすごい隠し事、迅さんレベルじゃないと持ってないし」
「玉狛はいろいろあるんで、隠し事は存在するんですよね……」
「ネイバーがいるとか、いろいろ大変だな……」

48 貴方のコンプレックスは何?
「もう少し身長欲しい! 太刀川さんに追いつきたい!」
「(笑)」
「あ! 笑うなよー!」
「そこは勉強とかではないんですね……俺は大きなコンプレックスはないと思います」

49 二人の仲は周りの人に公認? 極秘?
「バレてない、はず」
「迅さんお忘れですね?」

50 二人の愛は永遠だと思う?
「とりあえず永遠を誓っておくか」
「とりあえずな先輩を許してしまったことで、俺の愛は永遠に予約済みになりました」

スコープ越しの答え合わせ(wtユズチカ)

2019/12/25 1:59
アンケート第1弾、ユズチカ書けましたー!
ユズルが恋心を自覚する話ですが、千佳も好感は持っていると思って書きました。







夕暮れ時、ユズルは明かり1つ付いていない自分の家に帰っていた。
無言のまま電気を付ける。家族は父親しかおらず、当然仕事に出ているため声をかける相手はいない。
ただいまという言葉は、数える程しか発していなかった。
それを寂しいと思ったことはない。あったのかもしれないが、慣れて忘れてしまったのだろう。
スーパーで買ってきた惣菜を電子レンジで暖めている間に上着をハンガーにかけた。
やがて軽い音が鳴り、レンジから取り出してテーブルに置きペットボトルのお茶を傍らに用意する。
静かな夕食だった。ユズルはポツリとつぶやく。
「いただきます」



スコープ越しの答え合わせ



捕捉&掩蔽訓練。レーダーの情報無しで相手を狙撃し、なおかつ自らは隠れ続けなければならない。
ユズルにとってはそれほど難易度が高い訓練ではない。とはいえ、上位に入る当真や奈良坂の視線を交わして当てるのは、そう簡単にはいかなかった。
ただ、今日はうまいこと身体を隠しながらも、奈良坂の場所を把握できた。崩れたビルの影だ。大物を狙うチャンスである。熱くならぬよう自分に言い聞かせ、隙を伺う。相手が撃ってくれれば楽かと思ったが、奈良坂は1発撃った後素早く隠れてしまった。しかし距離はそれほど離れていない。こちらから近づいて撃っても良い。ユズルはタイミングを合わせるためにスコープを覗き、動くのを待った。そのつもりだった。
ちらりとスコープの隅に動く小さな影が揺らめく。
ぎょっとしてスコープ先を向けると、そこには雨取千佳がビルの上に登って場所を確保しようと動いていた。
(あ、雨取さん!)
まずい。明らかに奈良坂に撃たれる位置へ自分から入り込んでいる。ユズルは動揺した。
これは訓練だ。彼女が撃たれたところで順位に影響するくらいのもの。だが、ユズルはその時-
その時、彼女が目の前で誰かに撃たれるのが嫌だと思ったのだ。
気が付けば引き金を千佳に向けて引いていた。
スタンプがポンと彼女の心臓辺りに付いた。驚く表情。次の瞬間。
ポンとユズルの額にスタンプが付いた。奈良坂が撃ったのである。
慌ててもう一度スコープを覗き込んだ。
しかし、千佳と奈良坂はすでに場所を移動し、姿を消していた。
ユズルは壁に寄りかかり思った。
(何やってんだオレ)



訓練は終了。

当真の方から、珍しくミスしたなと軽口を叩かれてムッとしたが、いつもの調子であしらう。
知らず知らず溜め息がこぼれた。
気づいたことがある。最近、千佳の顔をまともに見ていられないときがあるのだ。理由は何だろうか。照れくさい思いを抱えているのは確かだが、ここまで人見知りに近い反応をしてしまうのは初めてだった。
それでも今日わかったことがあった。

「スコープ越しなら雨取さんをずっと見ていられるかな……」
身体が反応して撃ってしまったが、視線は一切外さなかった。その意味を考えていると。

「ユズルくん?」
「あ、雨取さん?!」
振り返ると、今まさに頭から離れなかった相手がそこにいた。
「ごめんね急に声かけちゃって。考え事している時に邪魔しちゃったね」
少ししょんぼりとした千佳に、ユズルは慌てて首を振る。
「あ……いやそれは大丈夫だから……雨取さんは気にしなくていいよ」
「それならいいんだけど……」
なおも明るい表情を見せない千佳に、罪悪感を覚えながらもホッとした。
「……良かった聞かれてない……」
そして安堵する自分が嫌になった。こんな気持ちは師匠である鳩原がいなくなって、何もできなかった自分に苦味を感じたとき以来だ。
「あ、あのねユズルくん」
もじもじしながら千佳が話しかけてくる。仕草が可愛かった。
「レッドバレットのことなんだけど……」
「何か問題があった?」
「ううん、そうじゃなくて……お礼したいの」
意外な言葉にユズルは目を見開いた。
「ユズルくんが教えてくれたおかげで、少しずつだけど戦えるようになったから、ホントにありがとう」
語った千佳の表情は柔らかい。
ユズルは胸が痛んだ。自分は師匠と同じ道を歩んでほしくなくて協力しただけで。そこには打算なんてものはなかった。なのに、ありがとうが身に染みて気持ちが揺れる。
今すぐスコープが欲しい。顔を見ることができない。でも顔が見たい。
そんなグラグラした気持ちのユズルをよそに、千佳は話の続きを始めた。
「お礼なんだけど……一度玉狛に来てくれるかな?」
「玉狛に?」
「ご飯を作るからごちそうしたいんだ。玉狛はご飯が当番制だから、今度私が……正確に言うと修くんと遊真くんと一緒にカレーを作るんだけど」
「他の人は用事でいないし、良かったらユズルくんを招待したいの」
思わぬお誘いにユズルは考えた。玉狛はボーダーの中でも独特の存在だ。とはいえ、食事をするぐらいなら隊長を初めとした影浦隊のメンバーは反対しないだろう。断るのはかえって失礼だ。何よりカレーは大好物である。最近全く食べていなかった。
「わかった。お礼は別にいいと思っているけど、せっかくだから……」
「良かった! じゃあ詳しい日時はね……」



そんなわけで昼下がり、ユズルは玉狛へ行くことになった。何か土産が必要だろうかと隊室で相談したら、皆ニヤニヤしながら用意してくれた。誤解されている気がする。
とりあえず緊張はしていない。2人きりで逢うわけではないからか。道を進みながら考えた。
やがて変わった建物が見えてくるとともに、近頃よく隊長と手合わせする白い頭の少年が姿を表す。
「お、ようこそ玉狛へ。お待ちしておりました」
空閑遊真は玄関先でほうきとちりとりを持って、最初に出迎えてくれた。
彼曰く、お客様が来るので玄関の掃除を任されたらしい。
「これカゲからなんだけど。よろしくって」
「ほほう、これはありがたき幸せ」
カゲにすっかり気に入られた遊真は独特のノリで土産を受け取り、ユズルを玉狛の中へ案内する。
「あ、こんにちは! ようこそユズルくん!」
突然にこにこ顔で千佳に出迎えられて、ユズルは心臓が跳ね返るかと思った。
「チカ、玄関の掃除終わったぞ」
「ありがとう遊真くん、後はカレーが煮込むのを待つだけだね」
ユズルは室内を見渡した。ざっと見た印象だが大勢の人が利用している空気を感じる。千佳に案内されてソファーに座った。
「オサムはまだか?」
「さっき電話があったから、おやつを買ってすぐに帰ってくるよ」
やがて修も帰宅し、4人で少し遅めのお昼ご飯を食べ始める。
カゲが受け入れただけあって、遊真の方は気楽に会話をすることができた。一方、隊長である修は真面目な印象で話がしにくいかと思ったが、時折遊真にツッコミを入れては、千佳が笑っている。チームの雰囲気はとても良いと言えるだろう。何よりユズルはリラックスして食事を楽しむことができた。千佳が笑っていることが嬉しかった。
良かった。あの時レッドバレットの使い方を教えて。
千佳が人を撃てないのは変わらないが、1歩進むことができた。
ユズルはごく自然に千佳を見ていた。窓から光が差し込み彼女は輝いて見える。




ユズルはその後、自宅へ帰った。
相変わらず、家には誰もいない。
いつもなら買ってきた惣菜や弁当で夕食を済ますのだが、今日は違った。
紙袋から取り出したのは、カレーが入ったタッパーだ。
玉狛で食事をした時、カレーが好物と話したところ修が余った分を詰めてくれて。
千佳が紙袋を用意しながら言っていたのを思い出す。
「カレーは1人だとなかなか作らないもんね」
ああそうだ。カレーは外で食べることはあっても、家で食べることは滅多になく。父親が休みで自分も任務がない時に作るくらいだ。
カレーは誰かと一緒に味わう料理だった。そう意識した途端、寂しい気持ちが溢れてくる。
手元にあるカレーは、自分の気持ちも一緒に詰まっているそんな気がした。
冷めてしまったので、電子レンジで温める。
パックのご飯もレンジにかけ、2度目のカレーをいただくことにした。
「いただきます」
言葉が出た途端、千佳の嬉しそうにカレーを食べる姿が脳裏に浮かんだ。そして気づく。
「……オレ。雨取さんのこと……」
ユズルはカレーを一口食べる。
自覚した恋心は、甘く程よい辛さを口に残した。




雨の中の檻(wt太刀出)

今回はTwitterのアンケートで太刀出が上がっていたため、書き始めたのですが行き詰まりウォーミングアップで短めの話を上げました。
どうも私が書くと太刀出はこんな感じになるようです。需要はあるのだろうか。






激しい雨音を室内で聞いていると、まるで置いていかれたような気がすると言っていたのは誰だったか。
感傷に耽るつもりはないものの、太刀川慶はぼんやりと安物の椅子に腰掛けながら思い出そうとしていた。

ここは異界。
今回の遠征は情報収集と交渉がメインだったが、訪れたタイミングが悪く雨季と重なっていた。それもただの雨ではなく、住民の話によると、人間の三半規管を刺激する物質が混じっているらしい。真っ先に体調不良を訴えたのが聴覚のSE持ちである菊地原を始め、船酔いの冬島やオペレーターたちも早々とダウンした。
これでは仕事にならないと風間はボヤきながら薬品類の物質調達に出かけ、全く影響を受けなかった自分は万が一の戦闘に備えて、宿の一角を取り留守番というわけだ。
することがない。暇だった。太刀川はテーブルから地元の酒瓶を手に取り、グラスに注いで口を湿らせた。チョコレートリキュールに近い舌触りがする。甘い。だが、冷えた室内で体を温めるには悪くない味である。
部屋は昼間だというのに雨のせいで青みがかって薄暗く、かといって明かりが必要なほど不便さは感じないので、このままにしていた。どうせ読む本など持ち込んではいなかったし、ベッドで寝ている出水公平を起こしたくはない。
出水は早々と雨の影響で頭痛を訴えた1人だった。彼専用の部屋は用意されていたのだが、雨の音が耳障りで眠れないと太刀川の部屋に逃げ込んできたのが数時間前。今はベッドを占領してうつらうつらと浅い眠りをさまよっている。
いったい何が彼を安心させたのか。太刀川が使っていたベッドに寝かせただけだというのに。
-匂いはほとんど付いていないはずなんだがな
半ば眠気に誘われながら、言葉を思い出す。

出水はある時こう言った。
おれ、太刀川さんの大きな手が好きです。
おれ、太刀川さんの匂いが好きです。
そして最後にこう言った。

おれ、太刀川さんの殺気のこもった瞳が好きです。

そこは欲を孕んだ目ではないのか。
快楽はそこまで求めていないのか。

出水と関係を持ってから回数と時間を重ねたが、行為を迫るのは自分からだった。けれど彼から拒絶されたことはなく、こちらも無理強いはしたことはない。
性欲盛んな10代後半がこんな様子でいいのかと首を傾げてしまう。それともまだ未成年だからと気を使っているのか。自分が彼ぐらいの年齢だった時はどうだったろう。女の子にモテたい気持ちはあったはずだが、その辺りがあやふやだ。
ああ、そうだった。太刀川は酒を継ぎ足しながら漠然と思考する。好かれるという相手からの評価と、快楽を得る手段は別だった。自分を慰める方法ならいくらでも情報は手に入る。
そこまで考えて太刀川は嫌な方向に考えが及ぶ。出水はそれほど自分との行為を重視していないのではないかと。

「うーん……」
横向きに寝ていた出水が目覚めようとしている。何とも呑気で無防備な体たらくに軽く腹が立つ。自分はこんなに悩んでいるというのに。これは惚れた弱みという話なのか。
太刀川はグラスを持って出水に近寄る。案の定気配を察知して出水は猫のような目を開けた。
「おはようございます……」
「もう昼過ぎなんだがな」
「……え、マジですか……」
「頭痛は良くなったか?」
「まだ……何となく……ガンガンします……」
出水は起き上がろうともがくが、毛布すら退かすのも苦労するほどダルい様子。太刀川がかけ直そうと毛布を掴むと出水はその手を取った。
「水……水が……飲みたい……です」
太刀川は思わずグラスを持ったままの手を見た。入っているのは酒だ。水はテーブルにあるが、出水はグラスの中身が水と勘違いしているのか、手を離そうとしない。
「水を取ってくるから、手を離してくれ」
力が緩み、太刀川の手は解放された。出水と目が合う。
ぼんやりとした眼差し、わずかに頬がうっすらと赤い。緩んだ唇はふっくらと柔らかそうな。
太刀川は出水の頭を撫でてやる。好きだと言ったその手で。彼は気持ち良さそうに擦り寄る。

-お前は猫か

呆れてそんな言葉が浮かび、本当にそうかもしれないと思いがよぎる。こっちが主導権を握って可愛がったつもりが、気まぐれに愛着行動を起こして心を揺さぶってくるのは彼かもしれない。
それならそれで、別に構わない。酔わせて溺れさせるだけだ。乱れた思考で太刀川は行動に移した。優位性はこちらが握っている。立場も重ねた年齢も。そもそも好きと言わせたのはこちらだ。
太刀川はグラスに入った酒を一気に飲み干した。そのまま勢いで出水に口づけをする。
「……う、んん……」
すぐさま離れて反応を伺うと、とろりとした眼差しで名前を呼ばれる。
「太刀川さん……未成年に酒は……まずいです……よ……?」

-うるさい、どうせ夜まで誰も来ないのだから酔ってしまえばいい

遠征メンバーの中で酔ってないのは風間を除けば自分だけだ。檻となった雨は夜まで止まず、2人を閉じ込めるというのなら。

「どうせ酔うなら、こっちの方がいいんじゃないか」

出水を仰向けにし、太刀川は覆いかぶさった。そこで意識が覚醒したのか、出水は目を大きく見開いた。
「頭痛、取れますかね?」
「さあどうだか」
「太刀川さんが1番酔いが酷いオチって、風間さんに怒られますよね」
「別に部屋へ入ってくるわけではないから、構わないだろ」
軽口がお互いに飛び出す。現状は戯れのようなやり取り。深く溺れる時が来るのはいつになるだろう。
だが太刀川は知っている。出水の伸ばした両手は自分の背中に回され、そこには始めた頃の初々しいしがみつきはない。刺激を与えるように指先でなぞる動作に変わっていることを。そして、片足が上げられる。慣らして焦らして濡らして入れろと言わんばかりに。

出水公平は笑ってささやく。
「やっぱり太刀川さんの匂いは落ち着く」

-その余裕、いつか崩して酔わせてやる

太刀川慶は軽く舌打ちして、グラスを無造作に床へ放った。割れずに転がるのを一瞥してから、深く口づけを交わす。甘い酒の味に、舌で口内を丹念に蹂躙した。
今この部屋は2人だけのものだった。冷え冷えとした空気の中で、嬌声とベッドの軋む音に濡れて擦れた肉体の熱が加わる。

夜までの時間を頭に入れながら、太刀川は触れながら思った。さて、この強敵をどう陥落しようかと。





烏出ツイートSSまとめ(wt烏出)

遠征後の本調子ではない出水と目ざとく見つける烏丸のイメージ。

先輩、何を見ているんすか。
京介に腕を引かれて、おれは空を見上げたまま意識を持っていかれたことに気づく。敵を狙う目でしたよ。あまりに怖い顔で言うものだから、おれは言った。それなら京介の顔を見るからと。その時見逃さなかった。京介、おまえ珍しく動揺しただろ。すました顔をしても遅いよ。



-甘い空気と読んでもよし、シリアスなままで終わったと読んでもよし。



学校で出水から意味深な視線を浴びる烏丸。このあと二人は人気のないところで盛り上がるも良し、あえて無視してしまうのも良し。

先輩の視線を感じる。俺は無視して蛇口を捻り水をがぶがぶと飲んだ。先輩がどこを見ているのかわかっていながら喉の乾きを潤す。水を止め、口を拭いそこで初めて先輩を視界に収める。ええ知ってますよ、飢えて乾いているから見ていたんですよね?水じゃなくて、俺の口元を。



おまけ
烏出で
端正な顔をこの行為で暴きたい
#キスシーンを14字で書く
積極的な出水くん



2月号の烏丸と出水が仲良く(?)一緒に座ったんで、ツイートSSを。たいした内容ではないけど、書いたからもったいない精神であげ。

席を退かせとジェスチャーされた。俺はおとなしく場所を譲る。座った先輩は楽しそうだ。冷静と興奮が混じった目で俺の弟子であり、先輩の弟子となった彼を見ている。周囲のざわめき、オペレーターの声、画面の音が遠くなる。その分先輩の気配を全身に感じ、冷静さを俺は繋ぎ止めなくてはならない。



二人はどんな時に手を繋ぐのかという話。ややアダルト?

手を繋ぐ時はほとんど先輩から。気になって聞いてみると笑われた。「だっておまえ、一緒にいるとそれだけで幸せですって顔してんの。おかしすぎておれから手を繋ぐんだよ。我慢すんな」と。すみませんと謝り、ふと聞いた。俺から繋ぐ時は? 先輩は耳元で囁く。「ベッドの中」



「天使が舞い降りた」
#この台詞から妄想するなら
#shindanmaker
戦闘中の一コマ。文字数が多すぎたので、メモアプリから投稿でした。
出水視点です。

「しまったな」
思わず舌打ちをする。ガラスのように輝くトリオン兵は空を飛来し、優雅に泳ぐ一方、おれはトリオン量が残り少ない。
「天使が舞い降りた、か」
珍しさで見とれたばかりに、あの世までのカウントダウン。覚悟を決めて最後の弾を構えた。その時、銃声と共に羽が砕けて。
「先輩、後一発撃てますか?」
背後から聞きなれたこの声は……見とれていたおれに怒っている。この後のやり取りが怖い。後ろに下がり返事をしながら、ガイストを発動させた京介の後ろ姿を見ていた。そうだな、よりによって敵に心奪われたおれが悪かったよ。



烏出の新刊
『糸電話は切れたまま』
── 友達になれて嬉しかった。友達のままでいるのが苦しかった。
#新刊のタイトル
#shindanmaker
これでツイートSS上げました。

友達になれて嬉しかった。友達のままでいるのが苦しかった。俺とあんたの繋がりは糸電話のようだ。想いを伝えたらきっと切れてしまう。それでも苦しさの余り言ってしまった。好きです。返ってきた答えはキス。細い糸は切れ、代わりに携帯電波が俺たちを繋ぐようになった。今日もまた声がよく聞こえた



7周年に間に合わなかった(爆)烏出ツイートSSです。烏丸視点。

貴方は烏出で『一緒にいた影響』をお題にして140文字SSを書いてください。
#shindanmaker

「影響……ですか?」出水の問いに烏丸は首を傾げた。あると言えばあるし、無いと言えば無い。そんな気がする。体を重ねてみても、大きな変化はなかった。そこで烏丸は試した。「別れましょうか俺たち」出水の目が丸くなる。嘘です、と否定した途端、彼の目から安堵の涙が落ちた。ほら影響は確かに。




出水視点で、物足りなさそうに体を接触させる話。

腰に手を回された。京介の首に両手をかける。よくある恋人の絡み合う姿勢というわけだ。
顔が近く吐息を感じる。何か違うんだよな。おれの言葉に京介は不思議そうに訪ねた。何が。
考えておれは言った。スリルが足りない。ああ、安心感より背徳感なんすねと返事の後、おれを抱えて欲求を満たす場所へ。



バレンタインデーネタで烏出。
ちらっとえっちな話が浮かびましたが無難なネタにしました。

バレンタインデー。米屋に勝った機嫌のいいおれの横で、京介はチョコの仕分けをしていた。ほとんどは家族の口に入るんだろう。戦利品を味わいながら、ふと京介を呼んだ。振り向いた瞬間にキス。どうしたんすかと聞かれ、おれは言う。別腹で甘い物が食べたくなった。ご相伴に預かりますとの返事と眼差し。

おまけ
若干アダルトバージョンのバレンタインデー(Twitterあげてません)

バレンタインデー。米屋に勝った機嫌のいいおれの横で、京介はチョコの仕分けをしていた。ほとんどは家族の口に入るんだろう。おまえ自分の分は? 聞くと甘い物は充分なんでと、こっちを向いて首に口を付ける。甘い匂いに胸焼けしそうなんで、苦いのくださいとの声に全てを察しておれはベルトに手をかけた。

どうかその手を伸ばして独りにしないで(wt烏出)

話が長くなりましたが、これでも削りました。タイトルは烏丸の心境です。読めばわかってくれるはず……だといいな。
大規模侵攻前後の烏出でハッピーエンドです。ちなみにこの話、烏丸が修を気にかけるシーンがありますが、烏→修ではありません。あくまで師匠としてのライクです。
烏丸が元太刀川隊説、出水と幼なじみ説は今回使用してません。






出水公平にとって烏丸京介は最初、同じボーダーの後輩で同じ高校生に過ぎなかった。

出水はその日、特に用もなく学校内を歩いていた。機嫌が良くも悪くもなかったわけではない。たまには普段通らない場所を独りで歩きたかった。それだけの話だ。
まれに出水を知る生徒がひそひそ話をしているが、自分に関わらない限りは関係ない。
A級1位。この肩書きにどれだけの重さがあるのか生徒たちは知らなくても、気安く絡んで来ないだけの威力は持っていた。
だが、A級だろうがなんだろうが捕まえたら離さないタチの悪い輩はいるもので。
渡り廊下に足を踏み入ると、背の高い男子とそれを取り囲み隅に追い詰める複数の女子が目に入った。
通り過ぎようとして、おいおいと足を止める。囲まれていたのは烏丸京介だった。1人の女子が告白をし、受け入れるまでは外に出さんと周りの女子がやんややんやと騒いでいる。どうもそういう状況だった。
(うわっ女子怖えーよ)
烏丸が何度も拒絶するが、皆離さんとしている。休み時間はまだ長い。終わるまで待つのも手だが、本当に解放してくれるのだろうか。トラウマになりそうである。出水は何とかならないかと周囲を見渡した。
場所が悪かった。ここの渡り廊下は主に3年が通る道だ。整った顔立ちの男子下級生が告白に困るところを横目で冷やかし気味に見ても、知り合いでもないならわざわざ助けようとする奴はいない。
生徒会長か教師でも通り過ぎれば良かったのだが、あいにく天は烏丸に味方をしなかったようだ。とはいえ、このまま見ているわけにはいかない。正直言って、強引に不利な場所で逃げられぬよう取り囲むというやり方が出水には気に食わなかった。そのまま女子軍団の中へ入っていく。
「ごめん。ちょっといいか? 緊急事態なんだけど」
そう言って出水は烏丸の腕を引っ張り、素早く女子の輪から引き離した。
「ちょっと! 何するのよー!」
ブーイングを気にも止めず、出水は冷静な表情を作って言った。
「悪い。ボーダーから連絡があったんだけど、こいつを借りていく」
ボーダーという単語に固まったのを見計らって、出水は烏丸の腕を掴んだまま素早く渡り廊下から脱出させた。
あとには唖然とする女子たちが残る。
「えっボーダーとか言ってたよね?」
「ちょっと! 今の出水先輩じゃん!」
「出水先輩って?」
「あんたボーダーのリスト見たことないの? A級1位の!」
「きゃ! そんな人がわざわざ探しに来たの?」
「緊急事態ってなんなのよ?」
「知らないわよーせっかくのチャンスだったのにー」



「追って来ねえみたいだから大丈夫だろ」
「ありがとうございます……おかげで助かりました」
「顔が良いのも苦労するよな」
そうからかって、出水は烏丸の前髪を上げた。
「あまり……じろじろ見ないでもらえますか?」
「いやあ、おれから見ても良い顔だよなぁと思って」
そう笑って指先から解放してやる。
それが2人の最初の接近だった。



それ以来、2人は一緒にいる時間が学校限定であるが増えた。時折、昼休みに屋上で弁当の中身を交換するとか、そんなささやかな行いだったが。見た目のクールさに騙されて嘘をつかれ、怒ったり呆れたりするが傍にいて居心地の良い相手であるのは確かだった。さり気ない気遣いもできるし、我を通すような目立つ行動も取らない。
あーなるほど。これはモテるワケだ。出水は納得した。同性の自分から見ても好ましい相手だった。
ある時、烏丸から弟子を取った、正確に言えば迅から預かったと聞かされた。
それを聞いて、出水は息を飲む。玉狛に襲撃をかけたのはつい最近の話だ。彼はどこまで知っているのか。請け負った弟子が目標の相手なのか。出水はそれとなく話を促した。
「はっきり言って、B級になれたのが不思議なくらい弱くて、特訓メニューをどう組もうか今悩んでます」
どうやら近界民ではなかったようだ。
出水はぼんやりと考える。 襲撃が成功したら玉狛と戦闘になるはずだったのだ。その時烏丸はどうしたのだろうか。答えはわかっている。彼は守るために戦う。正直、近界民と戦うよりも烏丸と戦ってみたかった。任務の重要性はわかっていたが、烏丸の前に現れてその表情を崩してやりたかった。
そこまで考えて、何だかおかしくなってくる。まるで烏丸に執着しているようで。
頭の中を振り払い、出水は問う。そこまで言う弟子はほんとに強くなるのかと。
正直難しいですね。返ってきた答えはつまらないものだった。おまえ貧乏クジ引かされたんじゃねえの? と言うと彼は首を振った。
「何というか……手がかかる弟子っすね」
その言葉とは裏腹に、烏丸の表情は穏やかだった。出水は言葉を失った。僅かに伏せた眼差しは優しい。口元は緩やかに笑みを乗せる。
出水は見とれた。クールな普段とは違い、今まで見せたことがない胸が締め付けられる表情に。
まさか。出水に一つの考えが頭をよぎる。
「……そいつのことが好きなのかよ」
えっ、と烏丸は顔を上げる。そして出水の顔をハッキリと見据え言った。
「いいえ。好きな人が……います」
「えっ? 相手誰だよ!」
爆弾発言に出水は飛び上がった。これは何としても聞き出さなくては。
「まだ言える段階じゃないっすから」
素っ気なく語る烏丸に出水は食いついた。自分でもなぜかわからないが、猛烈に知りたい。納得のいく答えが欲しい。
結局、押しても引いても烏丸から相手の名は出なかった。ただ、烏丸は言った。
「先輩。いつかはハッキリと伝えますから、その時は驚くと思いますが……受け入れてください」
真摯な瞳に出水は頷いた。そして考える。自分が驚く相手とはいったい誰なのか。その時の彼は全く検討がつかなかった。













大規模侵攻-



ベイルアウト後のマットに叩きつけられる感触に、出水は目を開いた。急いで国近の所へ駆けつける。戦況はどうなった。誰が無事で誰がベイルアウトしたのか-

最初に隊長である太刀川の様子を見た。無線でやり取りは全くしていなかったので真っ先に確認をする。画面上で太刀川は、新型を何の苦労もせず二刀流で切り捨てていた。心配はなかった。
とにかく太刀川に自らベイルアウトしたことを伝え、国近に烏丸たちの戦況を確認するよう急がせた。
「わりぃ京介! しとめそこねた!」
本当に自分が不甲斐ない。あとは烏丸と米屋に任せるしかなく。彼らなら時間を稼ぎ、修は無事に基地までたどり着ける。そう信じるしかなかった。
ラービットの前に姿をさらした烏丸はガイストを起動した。話には聞いていたが、画面上のデータが烏丸のトリオン消費の大きさを物語る。
(3分に全てをかけるつもりか)
動きが流れが変わった。烏丸はギリギリまで力を温存していたのだ。絶望的な状況で彼は冷静さを捨てていなかった。倒すことは無理だろう。時間稼ぎだ。それだけのために烏丸は全力で武器を振るう。
出水は何かを行う位置にいない。時間が刻々と迫る中で見つめるしかなかった。このまま、このまま持ちこたえてくれれば……。
祈りにも似た感情が湧き上がったとき、出水は疑問を覚えた。自分は"何か"を忘れていないか?
その時だった。ゲートとともにワープをコントロールする女が現れたのが。
「まさか!」
出水は瞬時に理解し、画面に掴みかかろうとした。当然敵には届かない。足止めをくらったのは烏丸たちのほうだった。
気づいた烏丸が飛びかかる。
「ダメだ! 飛び込むな!」
悲鳴にも似た声は届かない。
烏丸の背後からトリオン体の魚の群れがなだれ込んだ。がら空きとなった彼の背中を叩く。それだけで決着はついた。
「京介!」
出水は叫んだ。烏丸の身体が崩れ、ベイルアウトした。
戦況は刻々と変化していく-



それからの出水の記憶は曖昧だ。ふと気づけばロビーを歩いていた。本部は敵の侵入を許したが、ここは無事だったようだ。しかし泣いている職員たちの声が聞こえてくる。
-死人が出た。
漠然とした情報しかわからない。そもそも自分はなぜここにいるのか。ああ、理由はたしか-
「太刀川さん!」
出水は自らの隊長を見つけ、駆け寄った。
「出水か、そっちは大変だったみたいだな」
ラービットを大量に切り捨てた男は、全くダメージらしいダメージも受けぬ姿で不敵に笑う。いつもの強さを秘めた男の前で、ようやく出水も笑みが出る。
「ブラックトリガーの相手をしたかったんだがな。それにしてもメシの続きは無理そうか?」
「いえ……さっき食堂が空いたそうです。メニューは限られるみたいですけど」
出水の返答に太刀川は言った。
「そうか。じゃあ一緒に食事をするか。ずいぶん疲れた顔をしているぞ」
背中を軽く叩かれ、出水は気がついた。自分の身体が固く強ばっていたことに。



それから数日後、警戒態勢が続く中で、出水はあの駆け出した少年、三雲修の見舞いに行くことになった。

修の母の若さにびっくりしつつ、彼の様子を伺うことができた。米屋から話には聞いていたが、想像以上の負傷だった。ガラス越しに出水は動揺を隠せなかった。
無機質な機械に囲まれ、それらが規則正しい音を立てることにより、修が生命を繋いでいるのがわかる。
本来トリオンで守られるはずの身体を捨てて、敵の攻撃に身をさらした少年からは、死の匂いがした。
遠征で何度も死の危険にさらされたことはあるが、まさかこんな身近で目にするなんて。
横で米屋たちが話をしていたが、出水には耳に入らない。
1人の後輩の姿が浮かんだ。校舎で見た弟子を語るときの眼差し。あれはそうだった。家族を語るときに似た表情で。彼にとって大事な人が白い病室に横たわって、ほぼ動かない。
ああ、これは。
出水は悟った。
-烏丸京介はこの光景を見て激しく傷付いている。
修は目覚める気配はない。機械に繋がれ呼吸だけを繰り返している。
「京介」
出水はぽつりと呟いた。



自宅に戻った出水は、スマホを前にしてイラついていた。
「何で携帯に出ねえんだよ」
もう何度スマホを操作したかわからない。烏丸はまったく電話に出なかった。連絡の制限はかかっていないはずだ。
-どこにいるんだ?
彼の実家の電話番号は知らない。
困って出水は米屋にかけた。
「おっどうした?」
「京介と連絡取れねえんだよ、何か心当たりねえか?」
「心当たりはねえけど、玉狛のやつらなら知ってんじゃねえ? 待ってろ今かけ直す」
その後米屋はいとこの宇佐美から詳細を聞き出してくれた。
烏丸は自宅待機になっているらしい。本来なら敵の襲撃に備え玉狛支部で待機するはずだが、烏丸の心身の消耗が激しいと判断した木崎が家で1日休ませる対処を取ったらしい。
出水の中で、あの病室がちらついた。
感じた予感は当たっていたのだ。烏丸は心を損なわれている。
-だが、自分にどうしろというのだろう。
休んでいるというなら、わざわざ行く必要もない。携帯が切れているのも人と接触したくないからだ。
考えても仕方のない。
出水は外へ出て、頭を冷やすことにした。今の自分は冷静ではないのだから。



近くの商店街へ出た。この辺りは被害が少なく停電もなかったため、復帰が早かったのだ。
そこでいつも立ち寄っているコロッケ屋でいくつかコロッケを買い込み、1つ口に入れた。それだけで荒ぶりかけた心が落ち着く。コロッケの温もりがありがたい。
そのまま目的もなくぶらりと歩く。どれだけ歩いただろうか。流れる音に気がつくと、商店街の一角に電気屋があった。大きな薄型テレビがゲストの歌手を紹介している。出水は残りのコロッケをかじりながら歌い始める歌手を眺めた。
(そういえば曲が流行っているんだよな)
出水はクラスメートが休み時間にやたらと歌っていたのを思い出す。おかげで覚えるつもりもないのに、歌詞がわかるようになってしまった。ただの切ない恋の曲だというのに。
-おれのがらじゃない。
なのに、なぜ自分はここで立ち尽くして曲を聴いているのだろう。
たしかこの曲の歌詞は。

歌が流れる。痛みを訴えるように。
-本当は 本当は 本当は あなた

出水の記憶にぼんやりと続きが浮かぶ。
画面から目が離せない。


-本当はあなた、 泣きたいんじゃないの?


出水は息を飲んだ。
歌手は歌う。切々と。相手を想って。

そうだ。病室で浮かんだ疑問。
-あいつ泣きたかったんじゃないのか。
だけど、あの場所では泣く自分を許しはしない。きっとそうだ。
出水は気がついたら走り出していた。
わかっている。そんなことを確認してどうするのか。それでも心が激しくざわめいた。

おまえを1人にしたくない-






烏丸はその時澄んだ大空の下、公園のブランコに座ってただ呆然としていた。
大規模侵攻から間もないせいか公園には人がおらず、風が彼の髪を撫でていく。それでも烏丸は微動だにしない。
そんな彼の思考を占めていたのは、あの白い病室だった。
迅の予知では助かったと言われたが、横たわり微動だにしない弟子の姿はかなり堪えた。それでもその時はまだ冷静さを保っていたのだ。
最初に修を弟子として引き受けたとき、本当にB級なのかと疑問に思うくらい弱かった。小南なら真っ先に匙を投げただろう。けれど修は人を惹き付けるものを持っていた。何も持たない自分から目をそらさずに走り出す、苛烈な意思を持っていた。それは才能を超えた修だけの力。それだけに烏丸は歯がゆかった。
誰か三雲修を、あの子を見つけてやってほしい。
願いはすぐに叶えられた。風間蒼也が修に対戦を申し込んだのだ。結果、1引き分け24敗だったが、風間は修の戦い方を嫌いではないと評価を下した。それは認められたに等しい。自他ともに厳しい人から受けた言葉を、烏丸は表情に出さずとも素直に喜んだ。
できることなら何でもしてやりたい。いつの間にか芽生えた想いだった。それは弟や妹たちに対する感情に似ていた。育ってほしいと。無茶はしてほしくないと。自分の心境の変化に烏丸自身は驚いていた。出水に好きなのかと指摘されて初めて自分の可愛がり加減に気がついた。苦笑する。恋愛感情ではない。それでも大事な存在だった。
-だから忘れていた。修は誰が連れてきたのか。
ある時落ち着かず、再び病室へ訪れたときだった。すぐに目覚めるとは思わなかったが、いてもたってもいられなかった。そして謝りたかった。修の面倒を見ていたのは自分だったのだから。戦況を冷静に見極めていれば、倒された状況も少しは展開が変わっていたはずだ。
到着すると修の母と千佳、対して迅が立っていた。
(迅さん?)
烏丸は信じられないものを見た。迅がただひたすらに2人に向かって謝り続けている。
どうして?
いつものひょうひょうとした姿はなりを潜め、弱りきった眼差しでひたすら頭を下げている。

謝り続ける迅。それを見て烏丸は自らのうぬぼれを知った。
最初に見つけて連れてきたのは迅だ。修に与えてやりたいと思ったのは彼だ。自分は次だった。認めてやる役だったのだ。
それなら。
それなら謝る資格は自分にはない。
迅は敵を抑え捕らえる役目を果たした。だが自分は時間すら稼げず、敵の思惑を読み取ることも引き止めることもできず。背負った重みが違いすぎた。
迅の謝る声が響く。烏丸は背を向けてその場を去った。


遠くから市役所の知らせがキーンという音とともに聞こえてくる。
どうやら時間を潰しすぎたらしい。動かなかったので身体ががちがちだ。帰ろうかとどうにか立ち上がりかけたとき、視界の隅に走ってくる人が見えた。
「先輩?」
よりによって1番顔を合わせたくなかった人が必死に走ってくる。なぜここに? 場所は家族にも知らせていないしそもそも電話番号も知らないはずだ。
疑問が烏丸から逃亡という選択を奪った。ただ唖然として出水が駆けてくるのを見ている。
やがて出水はすぐ傍に止まり、息を切らせたまま隣のブランコに勢いよく座った。烏丸は出水が行動を取るのを待つ。荒い呼吸が落ち着いてきたのか言葉をつむぎ始めた。
「はあ……お前、何で電話出ねえんだよ……はあはあ……もしかしてと思って来たら、公園で黄昏ているのが見えたし、はあ」
ここでいつもなら、体力のない先輩に走らせてすみませんとかそんなノリの会話が浮かぶはずだが、烏丸はどうして? という疑問しかない。
さらに出水は烏丸に混乱させるような言葉を投げた。
「コロッケ、一緒に食わねえ?」


烏丸はコロッケを口にして気づいた。朝からあまり食べていなかったのを。というか、覚えていない。おそらく食パンは胃に入れた気はするが。
コロッケはすっかり冷めきっていたが、腹にするするとおさまっていく。ふと隣の出水を見ると、自らの好物をむしゃむしゃと頬張っていた。
頭が回り始めた烏丸は思う。
-ああ、俺の好きな人がここにいる。
恋をしたのはいつだったかはわからない。ただ心の底に秘めて決して告げるまいと決めていた。いたはずなのに、当の本人に約束をさせられた。
受け入れてください、なんておこがましい。それでも自分の正直な気持ちだった。
早くコロッケを食べたら帰ろう。
今この人が隣にいて、いつも通りの振る舞いはできない。何かが決壊しそうな心を抱えているのに。弱い自分。惨めな自分。ダメだ。出てきてはいけない。
必死に抑えて最後の一口を飲み込んだ。しかし出水はそれよりも早く食べ終わり、烏丸の目の前に立った。逃げ道は絶たれた。そして言った。
「落ち着いたか?」
落ち着けるわけが無い。あんたがいるのに。
自分は今どんな顔をして恋焦がれた人を見つめているのだろう。いつもの平然とした顔はどんな感じだったのか。今の烏丸にはわからない。すると答えが出水の口から飛び出した。
「おまえ、今自分がどんな顔をしているのかわかっているのかよ。それでおれから逃げるつもりだったのか?」
身がすくんだ。
お願いです、先輩。これ以上は暴かないで。
「誰も見てないから、堪えるな」
出水は頬に手を伸ばした。そして告げる。
「泣いていたんだろ? ここで1人」

泣いていた?
何を言っているのかわからなかった。
なぜなら涙を流していない。黙ってブランコに揺られていただけだ。
違います。否定の言葉を紡ごうとした。
だってほら、瞳はこんなに乾いて……。
「先輩?」
烏丸は出水に抱きしめられていた。まるで何かから隠すように。
本来なら喜ぶシチュエーションだった。離れようと腕に力を入れたが、温もりがじわじわと身体に伝わる。鈍っていた感覚が全身を駆け巡り始めた。
背中をぽんぽんと軽く叩かれたとき、烏丸は思った。許してください。今だけは。酷く歪な自分を。
「…………おれ、は……修……を……」
声がのどに張り付き、叫びたくても掻き消える。わかっていたのに。あの時迅から自分にできることはないと負けてしまうと告げられたのに。自分が倒されたからこそ、敵の戦術を引き出して決定的な情報となり生かされたと知っても。現実を黙って飲み込めば良かったのに足掻いた結果、眠り続けたままの少年。
頭に浮かんだ瞬間、決壊した。動じなかった瞳から涙が零れ落ちる。
烏丸はやっと感情を吐露し、叫んだ。
出水は黙ってそれを受け入れる。烏丸はそんな彼にしがみついて泣いた。
公園には静寂しかなく、ただただ烏丸の苦痛の声が響いている。




それからしばらくして、三雲修が意識を回復したとボーダー内で瞬く間に広まった。広まるわけである。彼はテレビの記者会見で傷の癒えぬままで思惑の渦巻く大人たちにその身を晒し、意志の強さを見せつけた。
出水は烏丸へ連絡を取った。すると彼はすぐに病院へ行くという。ただ、怖いと弱気を口にした。師匠として自分はどんな言葉を吐き出すのかわからないと。出水は言った。
「大丈夫だ。おれがついてきてやるよ」
保証はなかった。しかし、出水は今の烏丸なら悪いようにはならないと考える。いざとなれば自分がフォローをすればいい。修が重態を負った原因の一つは自分なのだ。そう、敵の攻撃がトリオンにしか効かないと見抜いたのは自分。修はその情報を元に換装を解いたのだ。だから傍にいるくらいさせてほしかった。気休めであったとしても烏丸のために。



病室はあいかわらず白い。けれど、最初に見舞いへ訪れたときと違って、死の匂いはなかった。
「すみません……いろいろご迷惑おかけしました」
修は弱々しく謝罪をする。
聞きながら、出水は烏丸の出方を待った。
烏丸は椅子に座ってしばし見つめていたが、立ち上がって傷付いた修を黙って抱きしめた。
「烏丸先輩? ……」
修は驚いたが、抵抗する気はないようだ。
その後ろ姿を見て、出水は公園での出来事を思い出す。
あの時とは違い、烏丸の背中は傷だらけから遠ざかったようだ。
出水に安堵が生じると同時に、モヤモヤした感情も沸き上がった。それは三雲修への興味となって変わっていく。
烏丸が大事にしている初めての弟子。
-もう師匠に心配かけてやるなよ?
大事なものが欠ける苦しみはもう味わってほしくなかった。



帰り道。二人は肩を並べて歩く。
「メガネくんには大したことは言わなかったんだな」
「顔を見たら、力が抜けて……」
「まあそういうもんだろ。でもこれからが正念場だな師匠?」
「そうっすね……修の無茶は簡単には止められないから、訓練の内容を見直さないと」
「そうだな。メガネくん死なないように考えないとな。いざとなったらおれに相談しろよ」
「先輩にですか?」
「シューター専門が見てやった方がわかることもあるだろ」
「ありがとうございます。まだそこまで考えられませんけど、検討しときます」



「先輩。話があります」
烏丸は足を止めた。出水もつられて止まる。
「何だよ話って」
「前に好きな人について話したこと、覚えているっすか?」
「あ……えーと、驚くだろうけど受け入れろって話だったか?」
「そうです」
「相手を教えてくれるってことか?」
はい、と烏丸は真剣な眼差しで頷いた。出水はなぜこのタイミングなんだろうかと思考を巡らしたが、答えは出てこない。
「どうして今って、先輩は考えているんでしょうね」
「わかんねーな、京介の考えていること」
「正直、まだ弱気になってます。だから言ってしまえば先輩につけ込むようで……」
そこで言葉を切り烏丸は口を閉じた。一呼吸おいて続きを言う。
「嫌われてしまうかもしれませんね」
「何で相手を言うだけで京介を嫌わないといけないんだよ」
「それは」
視線に射貫かれる。
「好きな人は……先輩だからです」
「……ちょちょっと待て」
「今ここにいる男は、先輩の親切心につけ込んで弱い自分が隠せず耐えられなくて想いを吐き出した、最低なヤツです」
「…………」
それっきり2人の間に沈黙が落ちる。
出水は真っ直ぐに烏丸を見た。烏丸自身も言葉の内容とは裏腹にこちらから目をそらさない。
出水はぼんやりと思考を走らせる。
最初に顔を見たとき、ああたしかに周りが騒ぐほど整った顔だと思った。それから話をするようになって、時々バイトで疲れている姿を見て労ってやったり、何だかんだと傍にいることが増えた。一見クールに見えるが、澄んだ眼差しから語られる言葉は今時の高校生と変わらなかった。ただ、家族に対する愛情が垣間見えて好ましいと思っていた。
そう、それで家族以外に好きな人がいると聞いたときは心が激しくざわめいたのだ。
相手を聞き出したかったのは、最初は好奇心からだとばかり思っていて……いや。本当にそうだったのか?
その瞬間、出水はドロッとした心の底の感情に気がついた。おれは今までこいつを後輩として見ていたか?  本当に?
確かめたくなった。出水は烏丸の前髪をかきあげた。そして顔をじっくり見る。
「先輩?」
烏丸の声にもお構いなしにとことん眺める。
あ、やっぱり。出水は確信する。
おれこいつの顔好きだわやべぇ。
そう実感したら、キスをしていた。
烏丸は驚いて1歩よろける。だが、彼も覚悟を決めたのか肩を掴んで唇を重ねてくる。浮遊感がだんだんまとわりついて、心地よくなってきた。意識がふわふわしながら、あれ? これ今主導権握っているの京介じゃね? そんな考えが頭をちらつかせる。
まあ、それでもいいか。
出水が出した結論だった。
しばらくして身体を離す。
「……先輩……」
「あーあのさ、今試してみたけど大丈夫だった。おまえと付き合うのありだ」
「まさか……」
「いやまさかじゃねえだろ。こんな道のド真ん中でキスしといて。しかもおまえ遠慮してねえし」
出水はそこで笑ってみせた。
「そういうことだからよろしく」
「先輩らしいですね。お手上げです」
言った烏丸も笑ってみせた。再び見惚れながら出水は思った。
付き合うってことは、こいつを思う存分見られるんだなと。そう考えたら恥ずかしくなってきたが同時に楽しみが増えたんだなと、なんだかくすぐったい気持ちにさせられたのだった。
その後、烏丸にリードを取られて、惚れた弱味に振り回される自分がいることを出水はまだ知らない。



星は命を啄む(太刀川+出水)

2019/10/9 11:35
遠征先での出水と、彼に見とれてしまった兵士の話。少し残酷な話です。2時間で勢いよくスマホで書きました。
それは美しい旋律。されど残酷で無慈悲な星屑。



その兵士は平凡だった。
力もトリオン量も頭の回転も。何もかもが特徴を持たなかった。容姿でさえも。ブラックトリガーなんて夢のまた夢だ。
そんな彼はせいぜい上司に雑用でこき使われ、重要な拠点ではない砦の見回りを行なうぐらいしか仕事がなかった。
それでも良かった。大好きな星を眺める時間が取れるのだから。
時々、考える。今自分が持っている武器は古ぼけた銃だ。ただトリオンを放出するだけの、一般に出回っているありきたりの物。
夜空を見る。もし空に浮かぶ星が落ちるような武器があったら、威力も凄まじいだろうが美しい光景なのかもしれない。
星を降らす武器。
それはブラックトリガーでなければ叶わないのかもしれない。
彼は手を夜空に伸ばした。星を掴みたい。輝く星灯は心を揺さぶり離さなかった。




「おーい知らせが入ったぞ」
今日も夜空を眺めていると、同期の兵士が駆け寄ってきた。
「知らせ?」
「ああ、昼頃に東の砦が全滅したらしい」
「全滅?」
「それも生き残ったヤツの話だと、たった2人にやられたんだと」
「ここは大丈夫? 時間も経っているし、やって来たら……」
「大丈夫だろ。ブラックトリガー使いも1人待機しているし、距離も遠いからな。ま、用心だけしとけば……」
その時言葉が終わる前に、仲間の警告の笛が鳴った。
「まさか……」
兵士がぽつりと呟いた傍ら、同期は音の方向を探して明かりを左右に振る。場所はすぐにわかった。
砦の端から次々に悲鳴と人の塊が飛んだ。
今日が暗い夜なのは災いだったのだろうか。
黒いコートを着た男が1人、両手に剣を携え目で追えぬ速さで兵士たちを切り捨てていた。その男の前には、仲間はただの的に等しい。兵士が何もできず固まっていると、男はふと動きを止めた。
先ほど話に出たブラックトリガー使い。
男は強さを感じ取ったのか、ゆっくり距離を取った。そのまま沈黙が支配し続けるのかと、思わず兵士が息を飲んだ時。
男の背後で爆発が起こった。
再び悲鳴が聞こえ、砦の一部は完全に崩壊した。
「太刀川さん!」
もう1人黒いコートを纏った男が爆発をものともせず走りよってくる。
少し若く見えるその男が間違いなく砦を破壊したのだろう。
「隠れていたヤツらは今ので倒しました。これで挟み撃ちはできません」
「よくやった出水」
ブラックトリガー使いから視線をそらさぬまま、その男は褒めた。そして言った。
「時間がない。お前が決めろ」
「了解です」
それを聴き逃すほどブラックトリガー使いは愚かではない。出水と呼ばれたその男に狙いを定めて距離を詰めた。
攻撃が当たる、兵士はそう思ったが彼は戦いの読めぬ凡人だった。
太刀川と呼ばれた男が剣を1本消し片手を振ると、出水の目前に四角く光る薄いものが出現した。敵の攻撃が届く寸前、出水はそれを飛び上がって踏み、その身を高々と夜空に晒した。
そして、兵士は見た。
両腕から大きな正方形のトリオンを出し、それがあっという間に細かく空中に散らばり、出水の周囲を光で包み込む。きらきらと広がりながら。暗闇を光の粒で星の海へと世界を変える。金色の髪が夜風に揺れて同じ色の瞳がこちらを見すえたとき、思った。
-あの人は、人なんだろうか。
星空はまるで彼のために存在する、そう思わせた。
心を奪われたとき、終わりはやってきた。
出水を取り巻いていたトリオンが、合図とともに閃光となって砦のあらゆる所に放物線を描いて降り注ぐ。
あまりの光の量に、兵士は目を閉じた。そして意識を失った。



……遠くのほうで声が聞こえてくる。
「……あーこちら太刀川隊。砦は攻略した。ブラックトリガーの回収は失敗。遠征挺へ帰還する」
「もったいなかったですね。自爆しなきゃ手に入ったのに」
「とはいえ、あそこで数を減らさないとヤバい相手だったからな。……おいまだ生きている兵士がいるぞ」
足音が近づくのがわかった。自分はまだ生きているらしい。目をゆっくり開けた。
はっと息を吐く。
そこには兵士が見とれた、星を降らした男がいた。男と呼ぶには少し若いのかもしれない。聞きたいことはあった。あれは何ていう攻撃なんだと。見れば見るほど、星を紡ぐために生まれたようなそんな攻撃と容姿だった。
惜しい。彼は思った。なぜなら-
「……太刀川さん……」
「こんな子どもにも戦わせなきゃならないほど、ここは荒れているということか」
「もう助かりませんね……」
「楽にしてやれ。覚悟を決めろ」
「……了解です」
もしも。ただの子どもだったなら。
きっとあの星を見ることはないまま、裏道で惨めに死んでいただろう。だから拾われて兵士になってご飯が食べられて、星を毎日眺められたのは幸せだった。ただ今日は星を降らす人がやって来て、星振りを行った。それだけの話なのだ。綺麗なものに恨みはなかった。
ゆっくり近づいてくる。小さな兵士は眺めている。出水が足を止めたとき、ありったけの力で言葉を伝えた。
「星を……見せて」
出水の息が止まる。
「振る星が……キレイ……だっ……た」
意味を考えているのか、出水はしばし動かなかった。やがて、出水は不敵な笑みを浮かべた。
「いいぜ。よく見てな」
そう言って、出水はトリオンキューブを出して見せた。ゆっくり分割され子どもの周囲を飛び交った。星光が近づいてくる。兵士として生きたその子どもは最後まで星を見つめ包まれながら、短い生涯を閉じた。